当研究室では、レーザー冷却や測定に必要となるさまざまな波長のレーザーを自作している。 基本的には、単一波長連続発振半導体レーザーを、温度安定化・外部共振器構造による 光帰還・電流帰還によるノイズ低減・原子放電セルや超高フィネス共振器へのFMサイド バンド法による周波数ロックなどの方法で用いることで、高安定狭線幅のレーザー光を得る。 必要ならば、Tapered Amplifierやbroad Area Amplifierといったレーザー増幅器にて レーザー強度を増大した後に、 SHG(第2次高調波発生)やOPO(光パラメトリック発振) などの非線形効果を利用して波長変換を行い、所望の波長の光を得る。
実際の実験は、超高真空下で行われる。真空槽は主にICF規格品を組み合わせて構成し、 ターボ分子ポンプやイオンポンプなどを用いて、〜10-10torrの真空を得ている。
本研究室での実験的研究には、いたるところで電子回路技術が利用されている。 多くの電子回路は自作によるものである。経験のないものであっても(多くの学生は そうかもしれません)、初歩的な回路から懇切丁寧な指導のもとに、たいていの回路を 理解・製作できるようになる。
本研究室での実験装置の多くは自作によるものである。これも同様に、ボール盤での穴あけ やタップ切りなどの初歩から懇切丁寧な指導のもとに、たいていの実験装置を製作できる ようになる。つまり、世界で一つしかない自作の実験装置を考案・製作することによって、 前人未踏の境地に切り込んでいくというのが、当研究室の基本的姿勢のひとつといえる。